一心同体、おれぼっち。
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結局、ドッペルゲンガーは授業が始まるとすぐに姿を消してしまった。
俺の代わりに出てくれたりなんて……やっぱりないかぁ。
思考まで俺なんだから、誰かの代わりに授業出るなんて、ありえねぇわ。
―――いてっ
突然、紙くずが飛んできた。
なんだこれ。
~ あんた、死ぬかもしれないのに何ぼーっとしてんのよ?
あの世に行っても恥ずかしくないように、ちゃんと授業受けて勉強しな!…~
死ぬなら、勉強いらねぇだろ。
しかも、死ぬ前提かよ…。
~…でも、まぁ、同じ翔和でも、やっぱり死んだら嫌だから。気分的に、ね。
だから、生き残れよ。 ~
「―――ちっ。生き残ってやるよ、言われなくても。」
くしゃくしゃの紙くずには似合わない、整った字。
俺は、それをポケットに突っ込んだ。
ありがとな、美衣。