一心同体、おれぼっち。
―――遡ること、約9時間前――――
「聖夜、鍵閉めてけよ。」
「うん。って言うか、翔和にぃ、さっき出てかなかったっけ?」
「何言ってんだ、ボケ。俺は今から登校すんの。お前、遅刻すんなよ?」
家の鍵を聖夜に渡して、家を出た。
俺らの両親は12年前に事故で死んじまった。
だから、家には俺と弟の聖夜だけ。
たまに幼なじみの美衣や祖母が手伝いに来てくれるので、なんとか生活している。
「あ、ケータイの充電ねぇや。」
登校したら、誰かに借りるしかないな。