病める時も、妹を愛すと誓います!
体育館女子更衣室
「ねぇ優樹菜。」
「何?誠。」
五時間目は体育だ。
なので、私と誠ふくめ、クラスの女子は
ここ…女子更衣室で、制服からジャージに着替えていた。
「あのさあのさ、こんな事きくの悪いんだけど…」
「うんうん。」
どうやら言いにくい話の様
珍しく会話をしぶる誠。
私は、それにやわらかく相槌を打った。
「…優樹菜ってさ
胸…どれくらい大きくなった?」
「ぇえ…!?」
私は、びっくりして、おもいっきり裏返った声を出した。
そんな私に、顔を真っ赤にさせながら誠があたふたと理由を話す。
「わ、私だってちょこちょこだけど、そ、そういうの気になっちゃうし…!そりゃひかれるだろうとは思ったけど…」
「…そう、なの?」
ちら…と誠の胸元を確認すると…
ぺったんだった。
そのまんまだ。
まな板だったのだ。
でも、その細い体は羨ましい。
「…そうだとしても、サイズはやっぱ、教えたくないよ。」
「…だよね。」
誠は苦笑いでこつん、と頭を叩いた。
そういえば
気にして無かったから
気づかなかったけど…
私の体つき、昔と比べるとかなり変わってしまっていた。
きっとこんなこと言ったら誠は
いいじゃん羨ましい!
と涙目で怒るのだろう。
でも私には、自分の体の成長は、少し悲しい事だったりした。
体が女性らしくなっていくにつれて
自分が如月家の人から
「赤の他人の子供」から
「赤の他人の女」になっていく気がして。
そんな「赤の他人の女」が大事な息子と同じ部屋で寝てるなんて、気持ち悪いと思うだろう。
まず本人…お兄ちゃんが嫌になってくるはずだ。
どんどん、お兄ちゃんが離れていく。