病める時も、妹を愛すと誓います!
「和海ー!和海ーー!!」
教室での休み時間。
うちのクラスは仲良しグループで集まり
談笑している生徒が多かった。
そこに、掃除用具入れの近くから、和海を呼ぶ声が聞こえる。
仲の良い男子と腕相撲大会を開いて、審判をしていた和海が、なにーと返す。
「用具入れの上にシャーペン乗せちまったんだよー。取ってくれー。」
「おー引き受けた。」
軽い返事を返して、和海は腕を組む二人に
ready……fight!と声をかけて、掃除用具入れに歩いていった。
ごそごそ…
「これか?」
「おぉサンキュ!」
相当高い位置に、難なく手を入れて
引き受けたことをこなす和海。
それを、私と誠は見ていた。
「和海って、身長高いよね。」
「昔はこんくらいだったんだけどね。」
私のふった話題を、誠は、親指と人差し指の間を5cmほど開けて、イタズラっぽく笑った。
いや、どんだけ小さいのよ。
「…でもなんかムカつくんだよなぁ。」
…え?
一瞬、寂しそうな顔をした誠に
私は疑問を感じた。
「ま、力仕事任せられて楽なんだけどね?」