病める時も、妹を愛すと誓います!
ほんとのこと
「ただいまぁラルフ…」
私は、家に帰ってきて
元気の無い挨拶を
庭の犬小屋にいる老犬ラルフにした。
今日1日、色々考えてたら
なんだか、如月家族に顔を合わせにくくなってしまった。
昔の自分とは違うんだ…
嫌われていてもおかしくない。
そうやってネガティブな考え方をしては
自分で落ち込んでいってしまっていた。
家のドアを開けるのを躊躇してしまう。
だから、庭でラルフをさわさわと撫でていた。
ラルフはもう年だからか
そんなに騒がない。
時おり、べくしゅ、とおっさん臭いくしゃみをするくらいだった。
「優樹菜?」
突然、声が上から降ってくる。
ゆっくりと顔をあげると
制服姿で、重たそうに鞄を下げている…
和海が立っていた。