病める時も、妹を愛すと誓います!
「和海?なんで…」
「いま日直の仕事終わったから、下校中。」
「あ、そうか。日直だったね、お疲れ。」
簡単な会話をかわすと、和海は、私の隣……ラルフの傍らに座りこんだ。
和海は、ラルフをもしゃもしゃっと雑に撫で
深いため息をついた…
「…和海もため息つくんだね。」
からかうように笑いながらそう言うと
「…つくよ。頻繁に。」
目をそらされ、むすっとして返された。
「悩み事?相談に乗れたら乗るよ。」
「……」
なるべく優しく聞いたつもりだった。
だが、和海は、うつむいて黙ってしまった。
和海がもしゃもしゃと撫でたせいで、ラルフの毛がぼさぼさになっている。
それでもラルフは、ぼうっとしていて、のんびりとあくびをした。
あれ、なんかそういうとこ和海と似てるかも…
「…優樹菜。」
「あっ」
うちの庭に新しい人影がさす。
その人は不機嫌そうにこう言った。
「友達と玄関前でたむろしちゃ駄目だろ…?」
「お兄ちゃん…」
怒った様子のお兄ちゃんに焦る私。
その隣で、ラルフと和海はゆっくりのんびりしていた。