病める時も、妹を愛すと誓います!
私は部屋に強引に連れていかれた。
お兄ちゃんはなぜか機嫌が悪くて
私を部屋に押し込んでから
一言も発さなかった。
お兄ちゃんはうつむき
正座でベッドに座る私に背を向けている。
「ねぇ…なんで怒ってるの?」
「……」
お兄ちゃんは黙ったままで
私に顔を向けようとさえしなかった。
「私が和海と話してたから?」
「……」
私の問いかけを聞いて、お兄ちゃんは少しだけ反応した。
ぴくり、と肩を震わせ、ちょっとだけ首をひねり、こちらを見る。
じと…と私を睨んでるが、威圧感はない。
というかまるで拗ねているようだった。
え?どうしてすねてるの?
「友達と玄関前でたむろしちゃ駄目…って。そんなの初めて聞いたよ。」
たむろしてた…もとい駄弁っていたことが駄目だったっていうなら、お母さんだって、お兄ちゃんだって、駄目じゃないか。
けっこう長話してるじゃない。
どれだけ待っても、お兄ちゃんは口を開こうとしない。
「…そんなに和海が嫌なの?」
ならしょうがない。
私からずけずけ言ってくしかないよね?
「この前だって、私が和海の話してたら…」
「優樹菜。」
お兄ちゃんが私の話を中断させる。
怪訝そうな顔を向けると、
お兄ちゃんは振り返った。
「俺の前で和海かずみカズミって言わないで。」