病める時も、妹を愛すと誓います!
「優樹菜!帰りが遅いから心配しただろ!」
私を呼びながら走り寄って来た黒髪で、黒ぶちの眼鏡をかけた男性。
彼は私に近づくと
ぽん、と私の肩に手を置き、声をかけた。
その様子を不思議そうに見る誠と和海。
誠は、私の顔を見ながら、男性を指差して
「こいつ誰?」
とでもいうように首をかしげていた。
「え、ぇえと…
呼ばれて飛びでてお兄ちゃん。」
私は苦笑いでそう言った。
そうこの男性が…
如月 奏斗
私のお兄ちゃんです。
お兄ちゃんは私の言葉に不思議そうな顔をした。
けれど、「呼ばれて飛び出てお兄ちゃん」から先ほどまで自分の話をしていたという事に気付き
嬉しそうに笑って軽く頭を下げ、誠と和海に挨拶した。
「優樹菜、この子たちは友達?」
「うん。まだ知り合ったばかりなんだけど、クラスが一緒なの。」
家が近くて、帰り道が一緒になったの。と付け足すと、へー、と返された。
そこに、すかさず誠が口を挟む。
「早坂 誠です!よろしくお願いします!」
「五十嵐 和海です。」
頭を下げて挨拶をする誠。
それと違い、かくんと微妙な頭の下げかたをした和海。
誠に頭を掴まれ、ぐん、と下げさせられた。
「ご丁寧にどうも。如月 奏斗ですよろしく。」
お兄ちゃんは、二人と挨拶を交わし
私の手をきゅ、と握った。
「もう夕飯できてるよ。冷えたら美味しくないし、ほら早く!」
ニコニコ笑いながら私を連れて帰ろうとするお兄ちゃん。
「え…でも…」
私はチラッと誠と和海を見た。
二人とも私にひらひら手を振っていた。