病める時も、妹を愛すと誓います!
夕焼けでオレンジに染まる中学の帰り道。
中学一年生にもなって
高校一年生の義理兄と
手をつないで帰るなんて
「ねぇあの男の子のこと詳しく教えて?」
突然かけられた言葉。
私はきょとんとしながら返す。
「男の子…って、和海のこと?」
私が聞くと、お兄ちゃんはうん、と返した。
「クラスメートだよ。
誠の幼なじみなんだって。いつもぼうっとしてるけど、みんなから頼りにされてて仲良しの輪の中では一歩ひいたとこにいるけど、皆を支えてて皆安心できて
かぁっこいいんだ!」
…そこまで言って気づいた。
お兄ちゃんが、ものすごく
不機嫌そうな表情をしていた。
「え、わ、ごめん、べらべら語っちゃって…」
「ほんとだよ。」
申し訳なくてわたわたと焦っている私に、いつもより低い声でお兄ちゃんが返した。
…怒ってる
「う…ごめんなさい…」
私がうつむいて謝ると
ばんっ!!
「っ…!!」
お兄ちゃんが
私を壁に突き付けた。
「お兄ちゃん…?」
「俺の前で楽しそうに
…他の男のこと話さないでよ。」
すがるように、甘い声が
耳もとで呟かれた。