殺し続ける
俺は風呂に湯をはり、湯船に湯がたまっていくのを見ていた。
久しぶりにつかるお湯が体を温め、頭がぼうってしてくる。
風呂も良いものだなと思いながら、目をつむると妄想が始まった。

まず、頭をお湯につっこむのは、お決まりだよな。
でも、すぐに窒息させるのは簡単すぎる。
お湯の代わりに、こないだ科学の実験で使った塩酸をためてみたいな…
塩酸で人間は全身溶けるのか…?
もっと強いのは何だろうか?ネットで買えるだろうか…高いに違いない。…首を切って血を流させよう。自分の血の水で薄まった朱色のお湯を、肺に満たさせてやろうか…


気づけば朝だった。

妄想に飲み込まれ、最近ではこういうことは珍しくなくなっている。

「…!!やっべ」
かなり寝入っていたようだ。俺は飛び起きた。
もう家を出なければ学校に間に合わない。
俺は急いで準備を済ませ、学校へと走った。
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