殺し続ける
ケータイの不在着信は、いつのまにか認められ、履歴に残っていた。
「せっかくカラオケ誘おうとしたのによ〜。なんかお前が来るっつったら女どもが集まるんだよな」
「女?そんな面倒なカラオケは勘弁してくれ」
口を尖らせる友人を横目に俺は残っていたドリンクを一気に飲み干した。
友人はあからさまにため息を吐いた。
「まったく…おめぇはよー」
「はいはい。俺そろそろ帰るわ。金ここ置いてく。じゃな」
俺はヒラヒラと手を振って家路についた。

家に帰ると、親の姿はなく、俺はシャワーを浴びて寝た。
浴槽は、またフタが閉じられていて、今度いつ開けるのか分からないまま姿に戻っていた。


俺は、その夜
夢を見た。

何年ぶりかに見る
親との夢だ…
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