殺し続ける
少女
「お前、どうしたんだよ」
退屈しのぎにくらいなるだろう。俺は、たぶん、悲劇の話であろう少女の話を聞くことにした。
「聞いて…くれるの?」
この間の夜の会話を思い、少女はここから退かなければならないと考えていたようだ。
少女は微笑みを俺に向けた。その微笑みは疲れきっているかのようだったが、俺は少女の表情をしっかりと見つめることができていない。
俺は明るいところで見る、少女の姿に驚きを隠すのが精一杯だった。
夜は、暗い中を明かりが照らしてくれているが、掃除の徹底されていない汚い電球のオレンジ色がかった明かりの色に染められ、影が多い。
だから明かりを用いずに見る少女の姿は夜よりも、はっきりと見えるのだ。
少女の肌の色は白いというか青白いほどだった。
身を守るように足を抱えて座る少女の手足の爪は無い。
俺は自分の爪を確認してしまった。のびすぎて切らなければならないほどだ。
顔は痣とも言い難い、とてもグロテスクな反転が、少女の可愛らしい顔を埋め尽くしていた。
洋服はぼろ布…ではなく長袖Tシャツに長ズボンをきちんと着ていた。
俺は最近よくあるニュースを思い出した。





ギャクタイ
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