殺し続ける
「お兄ちゃん。臭いよ〜」少女は鼻をつまみながら近寄ってきた。
「うるせぇな。なら近寄ってくんなよ」
冷たく言ってしまったが、少女は聞こえなかったかのように、俺の定位置のベンチに先に座った。
「お前さぁ、明日もくるつもりなのかよ」
俺は相変わらず無表情な口調で問いかける。表情は自分では分からない。
「怒ってる?ごめんなさい…嫌なら、もう来ないよ。そうだよね…嫌だよね。元々お兄ちゃんの場所だもん。サヤね…家をこっそり抜け出してきてるの」
少女は、うつむいた。
「お兄ちゃんと初めて、ここであったときから。見つかったらね…たぶん殺されちゃうよ。お兄ちゃんは嫌だったんだろうけどサヤは嬉しかったんだよ。寂しかったから…ずっと…だから、お兄ちゃんと喋れて良かった」
少女が話している。
同情を引くための言葉を吐き出す少女と、それを冷静に聞く俺。
「…。」
「…やっぱ殺されたくないし、見つかったら怖いから…もう来ない。お兄ちゃんにも嫌われちゃったしね!場所とっちゃって本当にゴメンナサイ。邪魔してゴメンナサイ。じゃぁね…ばいばい」
少女は、そう言って帰って行った。
…なんだかんだ言って、帰りたいんじゃないか。俺は、そんな風にしか考えられなかった。
まるで俺が悪いみたいじゃねぇか。
俺も少女の背中が見えなくなる頃に帰ることにしたのだった。
「うるせぇな。なら近寄ってくんなよ」
冷たく言ってしまったが、少女は聞こえなかったかのように、俺の定位置のベンチに先に座った。
「お前さぁ、明日もくるつもりなのかよ」
俺は相変わらず無表情な口調で問いかける。表情は自分では分からない。
「怒ってる?ごめんなさい…嫌なら、もう来ないよ。そうだよね…嫌だよね。元々お兄ちゃんの場所だもん。サヤね…家をこっそり抜け出してきてるの」
少女は、うつむいた。
「お兄ちゃんと初めて、ここであったときから。見つかったらね…たぶん殺されちゃうよ。お兄ちゃんは嫌だったんだろうけどサヤは嬉しかったんだよ。寂しかったから…ずっと…だから、お兄ちゃんと喋れて良かった」
少女が話している。
同情を引くための言葉を吐き出す少女と、それを冷静に聞く俺。
「…。」
「…やっぱ殺されたくないし、見つかったら怖いから…もう来ない。お兄ちゃんにも嫌われちゃったしね!場所とっちゃって本当にゴメンナサイ。邪魔してゴメンナサイ。じゃぁね…ばいばい」
少女は、そう言って帰って行った。
…なんだかんだ言って、帰りたいんじゃないか。俺は、そんな風にしか考えられなかった。
まるで俺が悪いみたいじゃねぇか。
俺も少女の背中が見えなくなる頃に帰ることにしたのだった。