運命のいたずら
約束の時間〜花蓮〜
四人分…?なんで?
斗真が帰ってきたのは夜の9時
できるまで一時間はかかる
言われるがまま、四人分のハンバーグを作り始めた
ピーんポーン…
誰だろう
私を訪ねてくる人は三人だけだ
二人は今、目の前にいる2人
あと一人は…武田社長
嫌な予感がした
「俺が出るよ。」
斗真が席を立とうとした時
ガチャ…
やばい。
武田社長は私の部屋の合鍵を持っている
入ってくるのは簡単だった
「こんばんは…」
「社長…」
「「こんばんは」」
「花蓮ちゃん、四人分って言ったのは武田社長の分なんだ。驚かないで聞いて欲しいことがある」
そう伝える斗真の目には不安そうな色がうかがえた
なおとも武田社長に
お久しぶり
と、挨拶をしている
「大きくなったな…2人とも」
え…?昔から知ってるということ?
「いえ、大きくなったのは花蓮も同じです。12年ぶりに会ったら別人のようになってました。俺の双子の妹…花蓮が」
え…?
なに…言ってるの?
双子の妹…?なにそれ
私の両親は中学の時に死んだ
なぜかわからないけど小学校時代の記憶がない
私に兄弟なんかいない
いるわけない
なおとと双子?そんなの…もっとありえない
頭がおかしくなりそう
「花蓮ちゃん、ご飯できた?」
「あ、うん。今運ぶね」
カタン…
四人が揃って色んな表情で複雑な思いでそこに集まっていた