運命のいたずら
伝えられる真実〜花蓮〜
わけのわからない言葉が飛び交っている
"双子" "久しぶり"
わけがわからない
みんなが席についた
誰が先に口を開くのか
痛い沈黙が流れてた
「花蓮、混乱するとは思うけど話を聞いて受け入れて欲しい」
この沈黙を破ったのは武田社長だった
落ち着いていられる自信はない
でも、嫌とも言えない
「はい…」
「花蓮の両親は中学の時に亡くなったよな?」
「亡くなりました」
「その両親は本当の両親じゃないんだ。本当の両親は花蓮が三歳の時に交通事故でなくなった」
え?本当のってなに?
私の知ってるパパやママは違うの?
「どういうことですか…?」
「花蓮、自分に戸籍ないこと気づいてるよな。それを病院は利用したんだ。花蓮は本当の両親が事故にあった時一緒にいた。もちろんなおとも。四人とも重症をおって病院に搬送された。治療をしようとしたとき、花蓮の保険証だけなかったんだ…なおとのはあった。だけど病院は花蓮を見殺しにするわけにもいかないからってちゃんと治療してくれたんだ。
ちょうどその時事故にあった家族がもう一組いたんだ。花蓮となおとは無事助かったが両親はなくなった。そのもう一つの家族は逆だったんだ。一人娘が出血多量で亡くなった。その家族の名字は…"寺島" 偶然だが同じだったんだ…両親がいない花蓮となおと。子供がいなくなった寺島さんの家。なんとなく察しはつくだろう。花蓮の戸籍がない。そして、寺島さんの家の子供もなかったんだ。偶然すぎるよな?だからなくなった子供の代わりとして、戸籍のない花蓮を寺島さんの家に送ったんだ…花蓮が知っている両親は花蓮が本当の子供で無いことを知っている。了承済みだった…花蓮が幼かったから病院が勝手にやったんだ。」
は…?
わけわからない
偶然が重なったから私は血縁関係がない私の知ってる両親のとこに送られた…
勝手すぎる…よ…
言葉がでなかった
涙がこぼれた
病院に対する怒りと偽物の両親はそれを知ってたということの驚き
三歳までなおとと住んでいたという事実
受け入れられない…でも、これもきっと事実なんだ
私となおとは本当の双子…
スッ…
なおとは一枚の紙を私の前においた
「っ…!」
家族四人の写真…
初めて見る両親の顔…
私、お母さんに似てる…そんな気がした
「花蓮…すぐ受け入れられないだろうけどこれも事実なんだ。今すぐとは言わないからゆっくり受け入れてって欲しい」
「大丈夫です。社長」
「「「!!!!!」」」
「こうして、みんな話してくれて私は真実を知ることができました。それだけで十分です。ありがとうございます」
本心だった
嬉しかった。過去のことはいい
これから双子として楽しくやれればそれでいい
なおとだって親の顔を覚えてない
同じだから