セカンドデビュー【完】
「全部捨てろ。うまくいかなかったことの数を数えても何にも生まれないよ」
そういうと、燃えるゴミの袋を持ってきて、まとめて突っ込んだ。
「取っておく意味ないだろ。正直に言えよ、主役やりたいんだろ。誰も怒ったりしないから、そう言えばいいんだよ」
「なんでわかるの。主役やりたいって」
「オレの母さんがそういう人だったから。オファーが来た時はどんな役でもやってたけど、主役がいいっていつも言ってたよ。女優とか俳優とか、そういう人ばっかりじゃないんだろうけどさ。とりあえず、オレの母さんはそうだったから」
「……橘さんのお母さんは、オーディション落ちたりしてた?」
「ああ。いっぱい落ちてた」
僕だけじゃないんだ。
そういうと、燃えるゴミの袋を持ってきて、まとめて突っ込んだ。
「取っておく意味ないだろ。正直に言えよ、主役やりたいんだろ。誰も怒ったりしないから、そう言えばいいんだよ」
「なんでわかるの。主役やりたいって」
「オレの母さんがそういう人だったから。オファーが来た時はどんな役でもやってたけど、主役がいいっていつも言ってたよ。女優とか俳優とか、そういう人ばっかりじゃないんだろうけどさ。とりあえず、オレの母さんはそうだったから」
「……橘さんのお母さんは、オーディション落ちたりしてた?」
「ああ。いっぱい落ちてた」
僕だけじゃないんだ。