セカンドデビュー【完】
「……そうかも。ブロッコリー塩かけてあるから、マヨネーズつけなくていいよ」
「うん」

美味そうに食べるなあ。嬉しいけど。

「美味い?」
「うん」
「……琴音んちは、アヤさん、あんまり来ないの? メシ作りにきたりとか」
「話してなかったっけ。うち、双子の妹がいるんだ」
「へえ」
「母さんは、妹をアイドルにしたいんだ。だから手が回らないんだよ」
「……そんなこともないだろ」
「このハンバーグ美味しいよ」

箸でハンバーグを切り分けて、琴音がほんの少し、笑った。

「うちの家族はみんな芸能界が好きなだけなんだ。僕が家事をちゃんとしてなかっただけだし」

オレには育児放棄に見えたけどな、この家の様子は。

オレがお人よしなのかな。
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