セカンドデビュー【完】
夕食を作っている間、琴音が自分の家族について、どれほどの時間悩んでいたんだろうと、想像してたみた。
自分で市役所に行って戸籍まで調べている。
間違いなく本当の親子だというのに、世間からはあれこれ言われて、ストレスだろうな。
守ってあげたい。

ご飯できたよ、と部屋に声をかける。

「しょうが焼きだよ。いただきますして」
「いただきます」
「どうぞー」


ブロッコリーばっかり食べてたから、琴音の食べっぷりは気持ちいいほどだ。

「僕の演技どうだった? ヘンじゃなかったでしょ?」
「ああ。上手だったよ」

思い出すと、胸が苦しくなる。

「でも、もう、キスシーンはイヤだな」
「イヤ、仕事だし」
「そうだけど」
「ねえ、倖太、なにか勘違いしてない?」

え?
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