セカンドデビュー【完】
一時間ほど経って、水原一雄が戻ってきた。

「橘くん、マスコミの対応お願いできるかな。もう集まってる」
「……はい」

オレは顔を洗ってネクタイを締めなおした。
病院の迷惑にならないよう、外に出て取材を受ける。
腹を刺されて昏睡状態であること、犯人はすでに逮捕されていること、また琴音のファンではないということを伝える。

フラッシュを焚かれて、質問に答えているのはオレ。
話題は他の誰か。

ああ。
前もこんなことがあった。
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