セカンドデビュー【完】
「田舎を出る時に『一緒にアイドルになろう』って言ってくれたのは、彼女だった」
「そうなんですか」
「一緒にいたかったの」
「……仲良かったんですね」
「いつも一緒だったわ。なのに、東京は怖いところね、彼女、どんどん先に行っちゃうんだもの。まさか先に死ぬなんて」
「琴音は助かりますよ!」
「……そうね。ごめんなさい。ねえ、倖太くんは、美香に会いたいと思うとき、ない?」
「そりゃあ、あります」
「私もよ。会いたくて苦しくなる」

私の未来は、彼女とともにあると、ずっと思ってた。

「相方を失うのは辛いことよ……。あなたには、琴音についていて欲しい。あの子には、いい役者になって欲しいの」
「……大丈夫です。琴音は見た目よりずっと強い奴です」

オレたちはお互いに励まされた振りをしながら、時間を潰した。
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