セカンドデビュー【完】

「大変申し訳ありませんでした！」

大場ユキトだ。
マネージャーと、他に、事務所のスタッフらしい男性と現れた。

「やっと挨拶に来たの！」
「アヤさん、落ち着いてください」
水原アヤの剣幕に、大場ユキトのマネージャーは、床につきそうなほど、頭を下げた。

「水原さん、この度は大変ご迷惑をおかけしました。今後、二度とこのようなことがないように」
「二度もあっちゃ困るわ。琴音はまだ昏睡状態なの」
「それは……。うちの大場も、大変反省しておりますので」
「おたくの大場さんのファンが刺したんですってね。仕事でたまたま一緒になって、芝居しただけなのに、とんだ迷惑だわ」
「はい、本当に」

アヤさんを手で留めて、３人の前に立つ。