セカンドデビュー【完】
「倖太は僕の話しを何でも聞いてくれるから、何言ってもいいと思ってた。怒らないし。泣かれたからびっくりしたけど、傷つけたよね」
「……」
「ごめんなさい。ずっと言えなくて」
「まあ……。入院してたしな」
「僕の演技を、倖太に認めて欲しかったんだ」
「……」
「否定されたみたいに感じて、悲しかった、だから、つい、言い過ぎたんだ」

僕の言葉が足りなかったのに。

「僕が目を覚ました時、君のお母さんに会ったって言ったろ」
「ああ」
「本当だよ、信じて。『なんでも自分から、言いなさい』って。きっと許してくれるからって」
「……それで?」
「あの……許して、くれる?」
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