セカンドデビュー【完】
彼のために笑顔を作る。
手を引かれて、車まで戻る。
ちょっと水買ってくる、と倖太は僕を残して車を出た。

入院している間、何度もシュミレーションしてたとはいえ、緊張した。
告白したことも、泣いてしまったことも、終わってみると恥ずかしい。
涙を拭いてる間に、倖太が戻ってきた。

「琴音」
「今日のはお芝居じゃないよ」
「……わかってる。少し、黙って」

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