セカンドデビュー【完】
裏に戻ってきた倖太に、スタッフが
「良かったよ!」と声をかける。

借り物の衣装を脱ぎながら「見ててくれた?」と倖太。
「ダンスうまいんだね」
「小学校に上がる前からやってる」
「え……聞いてない」
「あれ、話してなかったっけ」

いつものスーツに着替えると、倖太に戻ったような気がしてほっとする。

「じゃ、客席から見ようか」
「うん」

3時間スペシャルを生で見るのは楽しかった。
自分のマネージャーがオープニングを飾ったせいで、寿命が三日分くらい縮んだような気がするけど。

「……かっこよかったよ」
「そう? ……ありがと」


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