セカンドデビュー【完】
「刑事さん。ケーサツのメンツとか、そういうことを考えているなら、やめましょうよ。これはチャンスです」

「どういう意味だ」
「事件から3年経って、犯人はもう油断している頃でしょう。そこを騒がれたら必ず行動を起こすでしょう」
「逃げられるかも」
「そこは警察の不手際ですよね。スピード勝負ですよ。今まで進展が無かったんですから、逃げるならとっくに逃げています。違いますか」

鏡原はまだ渋っている。

彼が母のファンだ。
知っている。
自分の手で犯人を見つけ出したいという思いもわかる。
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