セカンドデビュー【完】
「父さんたちはどうなの?」
「どうって」
「別に。一緒に暮らさないのかなって」
「……お前も、うち、来るか?」
「オレのうちはここ。父さんたちの邪魔なんてしない、オレ、そんなに野暮じゃないよ」

冷たかったかな。
でも本音だから仕方ない。
親子ごっこをしたいわけじゃないから、二人でよろしくやってればいい。

オレは、することがたくさんあって忙しい。

「晩御飯でも、食べに行くか?」
「オレ、今日は夕方からバイトあるから。また今度」

ごめんねお父さん。

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