セカンドデビュー【完】
胸がざわついて、落ち着かない。


「母は、37歳で殺されました。女優としてまだまだやりたいことがたくさんあったと思います。彼女の人生を奪った犯人を、私は許すことができません。どうか番組をみている皆様、情報をお寄せください」

静かな口調で倖太がカメラに向かって訴える。

番組終了後は蒲田署に情報を、と電話番号がテロップで出る。

「3年前の10月10日以降、いつもと違う様子の人はいませんでしたか?」
「現在、番組では電話、FAX、メールで情報を募集しております。殺人者はいまもあなたの隣に潜んでいるかもしれません。犯罪を許してはおけません、皆様の協力をお願い致します」

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