セカンドデビュー【完】
テレビに出るなら出るで、僕に話してくれたっていいんじゃないか。
どうして話してくれなかった?

もやもやとした気持ちのまま、なんとなくハンバーガーをかじる。
いつもなら、倖太が作る夕食の美味しそうな香りがしている時間。
家に帰るのが面倒になる。

倖太と顔を合わせたくない。
理由もとくにないはずなのに。
コーヒーを飲み終わって、氷も解け始めた。

いつまでも時間を潰すわけに行かず、仕方なく店を出た。
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