セカンドデビュー【完】
翌日、アヤとは一日連絡が取れなかった。
夕方になり、琴音が帰宅した。

「母さんが警察に連れてかれた」
「……やっぱり」
「倖太がテレビなんか出るからだ! 自分の親の死に賞金をかけるなんて」

言うと思ってた。

「それがなんだっていうんだ。犯人を捕まえられればそれでいい、手段を選んでなんていられない」
「母さんが疑われてる」
「目撃情報があったからな。それに、死んだ前の日に、二人で会ってたのを黙ってた」
「母さんは殺してない、そんな人じゃない」
「オレだってそう信じたい」

そうだよ。
親友に殺されたなんて、信じたくない。
それに犯人だったら、最初からオレを雇うだろうか。

「……最初から疑ってたの?」
「それは違う、……二人は親友なんだ、そんなはずないって……」
「そうだよ! そんなはずない、倖太、ちゃんと調べよう」
「……」

もし、水原アヤが犯人だったら、オレたちはもう一緒にいられない。
もし、犯人じゃなかったら?


殺したのは誰?
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