セカンドデビュー【完】
このために呼んでくれたんだ……。

ホテルから花火を二人で眺めている。

「前から予約してたの」
「そうだよ。こういう部屋はすぐ予約で埋まるから。琴音は芸能人だから、人が多いところはイヤだろうと思って」
「……おしつけがましい」
「会場の方が良かった?」
「……そんなことない。ありがと」

倖太と二人きりの方が嬉しいに決まっている。


大都会の闇夜に大輪の花が咲く。
開いては消えていく様子に僕たちは言葉もなく見とれていた。

倖太の肩に寄りかかる。
いつから、僕は彼を……。
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