セカンドデビュー【完】
スケジュール帳を見たままで、「お前は、半分疑ってる。だから意見を聞きにきたんだろ。アヤさんを容疑者からはずせなかったから」
「……そうです。どうしたらいいかわからなくて」
「何もするな。犯人を捕まえるのは警察の仕事だ」
「手がかりになればと思って」
「もちろん調べる。でもな、お前にもすることがあるだろ」
「なんです?」
「なんですじゃないだろ。お前歌手だろう」
「そうでしたね」

他人事のように響く自分の声。
気持ちがふさいで、歌う気分じゃなかったけど、久しぶりにボイトレに行こうか。

「お前にはお前の人生があるんだから。事件のことは俺たちにまかせろ」
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