セカンドデビュー【完】
「アヤさんはどんな子だったんですか」
「うちが引越してきて、すぐに仲良くなった。流行りの服を着て似たような化粧して、双子みたいだった。どこに行くのも一緒だった」

双子のような二人。
仕事のイメージで作られる前に、すで二人は親友だった。

「うぬぼれが強い自信過剰な娘だったのは認める、育て方が悪かったのかもしれん。だけどな、殺されなくちゃいけないほと悪い子じゃなかった。そんな子じゃなかった」
「殺されていい人間なんていませんよ」
「じゃあ……。なんで……美香は殺されたんだろうなあ」

理由が見つからない。
しかし、彼女が川に投げ込まれたのは事実だ。

「もうひとつだけいいですか。美香さんは留学や渡米に興味がありましたか」
「渡米? そんなことは……。ああ、アメリカの海外ドラマなんかは好きでしたよ。それがなにか」
「いや、いいんです」

はっきりしたことは何もわからない。

「必ず犯人を見つけます。時間を下さい」
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