セカンドデビュー【完】
「初めて会ったその日から、ずっと目立ってた。世界でたった一人だけ、倖太は光ってた」
それが恋だって気付くまで。
気付いてからも、倖太だけを見ていた。
「オレはあいつが夢を叶えるって信じてるから、わざとけなすんだよ。歌なんか辞めちゃえって」
倖太はああ見えて負けず嫌いで、ニコニコしてるけど地道にレッスン通うド根性野郎で。
「アイドルは掃いて捨てるほどいるけど、橘倖太は世界にたった一人だけだから。オレはあいつをいつまでも見ていたいの」
「だから?」
「……倖太のそばに、いて欲しくない。あんたは、倖太の邪魔になる。足かせになる」
「そんなこと、あんたに言われる筋合いはない。友達ヅラすんなよ。いい人ぶって何様だよ」
意味がわからない。
なんで?
なんで僕と倖太が一緒にいちゃいけない?
なんで邪魔をする?
こいつも。
母さんも。
僕が倖太を好きになることは、罪なのか?
「……あんた、倖太のこと好きなんだ。それなら教えてやるよ。もう、倖太は僕だけのものだ」
「それは違う」
「……違う?」
「そう思ってるのは、水原さん、あんただけだ。人ってだれか一人だけのために生きてるわけじゃないだろ、ほかにも大事に思ってる人がいる」
「……」
「あんただってそうだ、家族とかいるだろ? 一人で生きてるわけじゃない。倖太のことが大切なら身を引いて」
「……うるさいッ!」
それが恋だって気付くまで。
気付いてからも、倖太だけを見ていた。
「オレはあいつが夢を叶えるって信じてるから、わざとけなすんだよ。歌なんか辞めちゃえって」
倖太はああ見えて負けず嫌いで、ニコニコしてるけど地道にレッスン通うド根性野郎で。
「アイドルは掃いて捨てるほどいるけど、橘倖太は世界にたった一人だけだから。オレはあいつをいつまでも見ていたいの」
「だから?」
「……倖太のそばに、いて欲しくない。あんたは、倖太の邪魔になる。足かせになる」
「そんなこと、あんたに言われる筋合いはない。友達ヅラすんなよ。いい人ぶって何様だよ」
意味がわからない。
なんで?
なんで僕と倖太が一緒にいちゃいけない?
なんで邪魔をする?
こいつも。
母さんも。
僕が倖太を好きになることは、罪なのか?
「……あんた、倖太のこと好きなんだ。それなら教えてやるよ。もう、倖太は僕だけのものだ」
「それは違う」
「……違う?」
「そう思ってるのは、水原さん、あんただけだ。人ってだれか一人だけのために生きてるわけじゃないだろ、ほかにも大事に思ってる人がいる」
「……」
「あんただってそうだ、家族とかいるだろ? 一人で生きてるわけじゃない。倖太のことが大切なら身を引いて」
「……うるさいッ!」