セカンドデビュー【完】
その時、ガラガラとガラス戸が開いた。

「ああ、いたいた。なに、迷子になったって?」
「……倖太」
「傘持ってきたよ。メシ食っちゃった?」

そうか。さっきメールしておいたんだっけ。

「……味噌ラーメン食べた」
「そっか。ここの店長友達なんだ」

元気? と手を上げる。
……店員じゃなくて店長だったのか。

「橘もなんか食べる?」
「今日はいい、家で焼きそば食ってきた」

また今度来るよと言い残し、倖太が代金を払って店を出た。
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