セカンドデビュー【完】
水原アヤの死
部屋に戻り、母の携帯に電話する。
何度かけても出ないし、留守電にもならない。
「……事務所に忘れてるのかな」
事務所にもかけてみたが、もう帰ったという。
父の携帯もつながらない。
どうなってる?
話さなくてはらないことがたくさんあるのに。
自宅にかけると、妹の知香が電話に出た。
「お兄ちゃん、昨日からお母さんが帰ってこないの」
「なんだって? どうして僕に知らせなかった」
「てっきりそっちにいると思ってたの。でも、電話もメールも返ってこないからおかしいと思って」
「父さんは」
「心当たりを当たってるんだけど、運転してるんじゃないかしら」
慌てて町田の自宅へ戻ると、妹二人と父があちこち連絡を取っていた。
本当に心当たりはないのかと問い詰めても、父は青ざめた顔を横に振るだけだった。
「じゃあ、母さんがいなくなる理由に心当たりは」
「……ない」
「確認するけど、母さんが何か家族に隠していることはない? 本当にない?」
「お兄ちゃん!」
「どういう意味よ」
「お前たちだって、学校にリポーターや記者が来たりしてるんだろ。母さんが疑われてる、世間がどう思ってるか知ってるはずだ」
何度かけても出ないし、留守電にもならない。
「……事務所に忘れてるのかな」
事務所にもかけてみたが、もう帰ったという。
父の携帯もつながらない。
どうなってる?
話さなくてはらないことがたくさんあるのに。
自宅にかけると、妹の知香が電話に出た。
「お兄ちゃん、昨日からお母さんが帰ってこないの」
「なんだって? どうして僕に知らせなかった」
「てっきりそっちにいると思ってたの。でも、電話もメールも返ってこないからおかしいと思って」
「父さんは」
「心当たりを当たってるんだけど、運転してるんじゃないかしら」
慌てて町田の自宅へ戻ると、妹二人と父があちこち連絡を取っていた。
本当に心当たりはないのかと問い詰めても、父は青ざめた顔を横に振るだけだった。
「じゃあ、母さんがいなくなる理由に心当たりは」
「……ない」
「確認するけど、母さんが何か家族に隠していることはない? 本当にない?」
「お兄ちゃん!」
「どういう意味よ」
「お前たちだって、学校にリポーターや記者が来たりしてるんだろ。母さんが疑われてる、世間がどう思ってるか知ってるはずだ」