セカンドデビュー【完】
すぐに倖太が駆けつけてきた。

「落ち着いて聞いて。アヤさんが危篤だ」
「……え……」
「高速で事故を起こした。行こう」

鏡原の車に、倖太と乗り込む。
運転席には玉木が乗っていた。
父は別の車に妹たちを乗せた。


深夜の東北自動車道を北へひた走る。

「どうして東北道なんかで事故を?」
「そんなことはわからない。事故を起こした本人以外には」と倖太。
「……警察はどうして東北道だってわかったんですか」
「アヤさんの車のナンバーで調べたら、事故を起こした車と一致した。調べるのが仕事だからな」

彼女は疑われているんだ。
尾行がついてたっておかしくない。

盛岡に到着し、母が運ばれた病院まではすぐだった。
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