セカンドデビュー【完】
一目でわかった。
もう助からない。

全身にチューブがつながれた母の姿は、綺麗だった時を思い出せないほど、損傷していた。
看護婦が出てきて「倖太くんはどちらですか。話したいと」と呼びかけた。

「……」
「えっ」

彼女は、倖太を呼んだ。
家族でもない、彼を。
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