セカンドデビュー【完】
火葬が終わり、骨壷に骨を収める。
知香と美亜が泣いている。本当にもういないんだ。
こんな小さな骨になってしまって。

ひとつひとつ骨を収めていく。

彼女は僕たちといて幸せだったはずだ。
美香さんを思い続けていたのは知っている。それでも。
もう母の口から真実を聞くことはできない。
親が死んだというのに、僕は事件のことばかり考えている。

何をしに、彼女は故郷へ向かったのか。

どうして。

死に急ぐような真似を。
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