セカンドデビュー【完】
僕は返事が出来ずに、微笑んだ。
同じ気持ちだと伝えたいのに、言葉が見つからない。

心にしまってある疑問をぶつけたら、何か変わるのかな。

僕は母親が同じなんじゃないかと疑っている。
君は母親を殺したのが、僕の母親じゃないかと疑っている。

僕は彼を手放したくない。
君は?

君も母さんも、立花美香のトリコ。
シンデレラには勝てそうも無い。


……ねえ。
君を独占したいと思うのは間違っているの?


僕はフォークをケーキに突き刺して、半分に切った。

「あっ、ちょっ、ちゃんと切れよ!」
「いいよ別に。半分こしよう」
「お前さあ、オレの親の誕生日ケーキだぞ」
「祝わないとは言ってない。倖太の親だし」

彼女がいなかったら、僕たちは出会えなかった。



そこは認める。
でも僕は、彼女より、君を愛してる。



負けない。
何があっても。
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