セカンドデビュー【完】
「はじめまして、橘です」
「大道寺レナと申します。美香とは友達でした」
「……」
「どうぞお座り下さい。……大きくなりましたね」
母の友達だというその人は、人形のような白い肌の小さな顔が、小柄な体の上に乗っている。
黒目がちな大きな目が笑いかけた。
「本当に大きくなったこと」
「……話したいこととは、なんですか?」
「私が美香とアヤについて知っていること。あなたの役に立つかはわからないけど、あなたには知る権利がある」
「権利……?」
「ふたりとも生きてるうちは黙っている約束だったの。でもアヤが死んでしまった。約束を守り続けることが本当に正しいことなのか私には解らなくなった」
「……」
「特番を見たし、倖太くん、君が、アヤの事務所にいることも知ったわ。話すべきだと思った」
大道寺レナが迷っているのは、伝わってくる。
話すということは、約束を破ることだからだろう。
それでも、少しでも話してくれると決めた彼女の勇気が、ありがたい。
今はどんなことでも情報が欲しい。
「話してください」
「大道寺レナと申します。美香とは友達でした」
「……」
「どうぞお座り下さい。……大きくなりましたね」
母の友達だというその人は、人形のような白い肌の小さな顔が、小柄な体の上に乗っている。
黒目がちな大きな目が笑いかけた。
「本当に大きくなったこと」
「……話したいこととは、なんですか?」
「私が美香とアヤについて知っていること。あなたの役に立つかはわからないけど、あなたには知る権利がある」
「権利……?」
「ふたりとも生きてるうちは黙っている約束だったの。でもアヤが死んでしまった。約束を守り続けることが本当に正しいことなのか私には解らなくなった」
「……」
「特番を見たし、倖太くん、君が、アヤの事務所にいることも知ったわ。話すべきだと思った」
大道寺レナが迷っているのは、伝わってくる。
話すということは、約束を破ることだからだろう。
それでも、少しでも話してくれると決めた彼女の勇気が、ありがたい。
今はどんなことでも情報が欲しい。
「話してください」