セカンドデビュー【完】
「どうしてオレなんですか。他の奴でもよかったでしょう」
「何人も辞めたわ」
「オレだって辞めたいですよ」
水原アヤは、わざとらしく腕を組んだ。
「……美香は。あなたのお母さんは、歌も上手かったわ」
「……それが、何の関係があるんです」
なんで、今、母親の名前が出てくる?
「胸がでかいだけの、芸のないタレントがCD出す時代よ。琴音が歌ったって、別におかしくない。新人を発掘して、一から売り出すより、ずっと楽なのよ」
「金儲けは大事ですよね」
「大事よ。あの子にいろんな仕事をして欲しい。自信をつけてほしいの」
「オレには関係ないことです」
「あるわ。……美香は……人を乗せるのが、上手かった。すごく上手かったわ。あなただって、映画に出て、そのまま主題歌を歌ったわ。それで新人賞を取った」
「10年前の話です。CDが100万枚フツーに売れる時代でした。今は違います」
「何人も辞めたわ」
「オレだって辞めたいですよ」
水原アヤは、わざとらしく腕を組んだ。
「……美香は。あなたのお母さんは、歌も上手かったわ」
「……それが、何の関係があるんです」
なんで、今、母親の名前が出てくる?
「胸がでかいだけの、芸のないタレントがCD出す時代よ。琴音が歌ったって、別におかしくない。新人を発掘して、一から売り出すより、ずっと楽なのよ」
「金儲けは大事ですよね」
「大事よ。あの子にいろんな仕事をして欲しい。自信をつけてほしいの」
「オレには関係ないことです」
「あるわ。……美香は……人を乗せるのが、上手かった。すごく上手かったわ。あなただって、映画に出て、そのまま主題歌を歌ったわ。それで新人賞を取った」
「10年前の話です。CDが100万枚フツーに売れる時代でした。今は違います」