セカンドデビュー【完】
「琴音はオレの弟です」


鏡原と玉木は顔を見合わせた。
玉木は餅を挟んでいた箸を下ろして言った。

「……養子に出したってこと?」
「違います。産んだのは母ですが、役所には水原家の子供として届けを出しています」
「お前の周りの大人たちはみんな知っていたんだな?」
「そういうことになります」

いいか倖太、と鏡原は身を乗り出した。

「俺たちはお前が話してくれるまで、その事実は知らなかった。美香さんの子供ということもだ」
「……」
「どうして話してくれなかった」

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