セカンドデビュー【完】
学校で大量にもらったチョコレートを、バッグにつめ家路につく。
呼び出したということは、倖太はきっとバレンタインのチョコを用意しているんだろう。
女の子に生まれれば良かったのに。

鍵を開けると、甘いチョコの香りがする。
キッチンに急ぐと僕は倖太の背中を期待した。

「……倖太?」

僕の目が見つけたものは、倒れている、彼の背中だった。


床に血が流れている。

溶けたチョコレートの香りと、血の匂い。

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