セカンドデビュー【完】
真冬の墓
倖太はまだ目を覚まさない。
玉木の目を盗み、病院を抜け出した。
僕はタクシーを乗り継ぎ、墓地へ向かった。
倖太が死んだら僕の責任だ。
もう逃げることはできない。
途中、ホームセンターに立ち寄り、鉄のバールを購入する。
雪がちらつく墓地は人っ子一人いない。
立花美香の墓。
軍手の上にゴム手袋をはめる。
ごめんなさい。
許してください。
僕は墓泥棒をすることを、美香さんと倖太と家族全てに向けて謝った。
バールを握り締めた。
「こんな夜中に何してんの。琴音くん」
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
玉木の目を盗み、病院を抜け出した。
僕はタクシーを乗り継ぎ、墓地へ向かった。
倖太が死んだら僕の責任だ。
もう逃げることはできない。
途中、ホームセンターに立ち寄り、鉄のバールを購入する。
雪がちらつく墓地は人っ子一人いない。
立花美香の墓。
軍手の上にゴム手袋をはめる。
ごめんなさい。
許してください。
僕は墓泥棒をすることを、美香さんと倖太と家族全てに向けて謝った。
バールを握り締めた。
「こんな夜中に何してんの。琴音くん」
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!」