セカンドデビュー【完】
玉木がやってきて、ペットボトルのお茶をよこした。
「倖太くんに直接話してもらうよ。お墓を開けるんだから遺族の許可がいる」
「はい。でも……」
「倖太くん、入るよ」
ドアを開けると、倖太は上半身を起こしてじっとこっちを見ていた。
倖太?
どうして?
出血多量で面会謝絶だったはずじゃ。
「母さんのお墓に行ってたんだって?」
「……」
「こんな時間にお墓なんて行って。寒かっただろ」
倖太の口調は重かった。
さっと血の気が引いてくのがわかる。
「琴音。オレの母さんはもっと寒い墓の中にいる。なにか知っているなら話して。隠し事をするならオレはお前を守れない」
「倖太くんに直接話してもらうよ。お墓を開けるんだから遺族の許可がいる」
「はい。でも……」
「倖太くん、入るよ」
ドアを開けると、倖太は上半身を起こしてじっとこっちを見ていた。
倖太?
どうして?
出血多量で面会謝絶だったはずじゃ。
「母さんのお墓に行ってたんだって?」
「……」
「こんな時間にお墓なんて行って。寒かっただろ」
倖太の口調は重かった。
さっと血の気が引いてくのがわかる。
「琴音。オレの母さんはもっと寒い墓の中にいる。なにか知っているなら話して。隠し事をするならオレはお前を守れない」