セカンドデビュー【完】

クリスマスの告白

夜が明けたら全部話してもらう約束をする。
琴音を倖太の部屋に残し、引き上げることにした。

「カガさん、あの子は反省してると思いますよ」
「……危ないじゃないか。本気で琴音が攻撃してきたらどうするつもりだったんだ」
「わかるんです」

どんな些細なことでも、自己主張したがる人種。
良い悪いの問題じゃなく、自分を認めて欲しがる人種。

「琴音のようなタイプはどこにでもいます。見て欲しいんです。自分を」

「あの子は墓を暴くことにした。話せばいいだけなのに」

「誰よりも注目を浴びることを望んでいるんです。だから僕の説得に応じた。犯罪は割に合わないと」
「それはそうだが」
「あの子は家族より、良心や罪なんてものより、自分を大切にしたがってる」
「しかし間違いは正さなくては」

「あの子はきっと話してくれます。鏡原さん、いつも言ってるじゃないですか。人を信じることを諦めるなって」

「シンデレラのガラスの靴は、魔法使いのお婆さんがいなくちゃ手に入らなかったはずなんです。不正をして得られるものじゃないことに、琴音くんは気づくはずです」
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