セカンドデビュー【完】
その後の事情聴取で、「少しだけ間違っているところがあります」と松本は話し始めた。
「アヤさんから『さよなら』と連絡が来て、僕と一雄さん……、アヤさんのご主人は、必死で駆けつけました」
「川面に浮いていたのはアヤさんだけで、美香さんの遺体は見つかりませんでした。真っ暗でしたし。アヤさんを引き上げて……彼女は幸いにも目を覚ましました」
「それで」
「美香さんを殺してしまったと、話してくれました。自首をすすめましたが……僕たちは、彼女を失いたくなかった」
「アヤさんは美香さんを愛してました。彼女しかみていなかった。僕たちのことを、かけらも愛してくれなくても、それでも彼女を失いたくなかった」
松本の目が涙がこぼれる。
「どんなに望んでも彼女の心は手に入らなかった。それでも秘密ができました。彼女を縛り付けられるならなんでも良かった」
出会った時から、彼女の心はほかの誰かのものだった。
それでも。
守ってあげたい。
「アヤさんから『さよなら』と連絡が来て、僕と一雄さん……、アヤさんのご主人は、必死で駆けつけました」
「川面に浮いていたのはアヤさんだけで、美香さんの遺体は見つかりませんでした。真っ暗でしたし。アヤさんを引き上げて……彼女は幸いにも目を覚ましました」
「それで」
「美香さんを殺してしまったと、話してくれました。自首をすすめましたが……僕たちは、彼女を失いたくなかった」
「アヤさんは美香さんを愛してました。彼女しかみていなかった。僕たちのことを、かけらも愛してくれなくても、それでも彼女を失いたくなかった」
松本の目が涙がこぼれる。
「どんなに望んでも彼女の心は手に入らなかった。それでも秘密ができました。彼女を縛り付けられるならなんでも良かった」
出会った時から、彼女の心はほかの誰かのものだった。
それでも。
守ってあげたい。