セカンドデビュー【完】
その結果がこれだ。
「倖太がいなくなりました」
記者会見の数日後、倖太と連絡が取れなくなったと琴音が駆け込んできた。
「もう知ってるかもしれませんけど……。僕は倖太のことが好きです。そばにいてあげたいんです」
「……もう知ってるかもしれないけどな。我々は捜査上知り得たことを外部にもらすことはできないんだよ」
「はい。でも僕は、鏡原さんが倖太の友人だってことを知ってます」
「我々は、倖太がどこに行ったかは聞いていないんだ。池袋の家には帰っていないのか」
「ええ。捜索願を出すことはできませんか」
気持ちは痛いほどわかる。
「琴音くん。捜索願は家族しか出せない決まりになっている」
「鏡原さん。倖太は……、兄弟なんです、彼は兄なんです。僕は立花美香の子供なんです」
「知っている。だが、戸籍上は、君は水原アヤの子供で」
「どうしてですか!? 人が一人消えてるんです! 助けてくれたっていいじゃないですか!」
「落ち着いて」
玉木が会議室へ連れ出した。
「倖太くんがどこにいったかなんて、我々が知ってるわけないだろう。事件が解決した以上、もう関係ないんだから」
「3年付き合いがあったのにずいぶん冷たいんですね」
「そう3年。水原アヤが黙っていたせいで、解決に時間がかかった。心中みたいなモンだったとしても、君のママが正直に話してくれたら、救いようがあった」
「……」
「倖太が君の顔を見たくないと思ったとしても、不思議じゃない」
「タマテル、やめろ」
「あいつは我慢強いんだ。何か心配ごとがあっても簡単には話さないし、疑ってることがあっても、捜査の邪魔をしないように、いつも気を遣ってた」
「僕にもそうでした。なんでも聞いてくれてた。なんでも受け止めてくれてた。すごく優しかったんだって、いなくなって初めて気づいた」
「……」
「倖太がいなくなりました」
記者会見の数日後、倖太と連絡が取れなくなったと琴音が駆け込んできた。
「もう知ってるかもしれませんけど……。僕は倖太のことが好きです。そばにいてあげたいんです」
「……もう知ってるかもしれないけどな。我々は捜査上知り得たことを外部にもらすことはできないんだよ」
「はい。でも僕は、鏡原さんが倖太の友人だってことを知ってます」
「我々は、倖太がどこに行ったかは聞いていないんだ。池袋の家には帰っていないのか」
「ええ。捜索願を出すことはできませんか」
気持ちは痛いほどわかる。
「琴音くん。捜索願は家族しか出せない決まりになっている」
「鏡原さん。倖太は……、兄弟なんです、彼は兄なんです。僕は立花美香の子供なんです」
「知っている。だが、戸籍上は、君は水原アヤの子供で」
「どうしてですか!? 人が一人消えてるんです! 助けてくれたっていいじゃないですか!」
「落ち着いて」
玉木が会議室へ連れ出した。
「倖太くんがどこにいったかなんて、我々が知ってるわけないだろう。事件が解決した以上、もう関係ないんだから」
「3年付き合いがあったのにずいぶん冷たいんですね」
「そう3年。水原アヤが黙っていたせいで、解決に時間がかかった。心中みたいなモンだったとしても、君のママが正直に話してくれたら、救いようがあった」
「……」
「倖太が君の顔を見たくないと思ったとしても、不思議じゃない」
「タマテル、やめろ」
「あいつは我慢強いんだ。何か心配ごとがあっても簡単には話さないし、疑ってることがあっても、捜査の邪魔をしないように、いつも気を遣ってた」
「僕にもそうでした。なんでも聞いてくれてた。なんでも受け止めてくれてた。すごく優しかったんだって、いなくなって初めて気づいた」
「……」