セカンドデビュー【完】
「一回だけな。相談されたよ。琴音くん、君のことが好きだと」
「……」
「本当のことが明るみに出たら、一緒にいられないんじゃないかと」
「そんなこと……どうして」
「君が、母親の子供だと知ってしまったからだろう」
「……じゃあ、倖太の人生はどうなるの」
「それを君が決めることはできない。倖太の人生はあの子のものだから。いつかまた元気になるまで……」
「連れ戻してきます」
「……」
「『いつか』っていつ? 人は意外と簡単に死ぬ、こないだまでうちの母は生きてた。いつかなんて待ってたら、人生あっという間に終わっちゃう」
「今動かなきゃ絶対後悔する。僕はもう、誰も失いたくない」
愛してるから。
君が僕に、母親を重ねてても、構わないから。
ねえ僕が生まれてきてしまったのは、こんな結末を見るためじゃない。
こんな結末はイヤだよ。
「……」
「本当のことが明るみに出たら、一緒にいられないんじゃないかと」
「そんなこと……どうして」
「君が、母親の子供だと知ってしまったからだろう」
「……じゃあ、倖太の人生はどうなるの」
「それを君が決めることはできない。倖太の人生はあの子のものだから。いつかまた元気になるまで……」
「連れ戻してきます」
「……」
「『いつか』っていつ? 人は意外と簡単に死ぬ、こないだまでうちの母は生きてた。いつかなんて待ってたら、人生あっという間に終わっちゃう」
「今動かなきゃ絶対後悔する。僕はもう、誰も失いたくない」
愛してるから。
君が僕に、母親を重ねてても、構わないから。
ねえ僕が生まれてきてしまったのは、こんな結末を見るためじゃない。
こんな結末はイヤだよ。