セカンドデビュー【完】
「アヤさんがオレの母親……」
「彼女は君を嫌っていたわけじゃないと思う。ただ、本当のことを打ち明ける勇気がなかったんだと思うよ」
全てを話し終わると、玉木は「良かったじゃないか。これで親の呪縛からも逃れられて自由になれるじゃない」と笑った。
「自由?」
「美香さんは実の親じゃなかった。琴音くんは弟じゃなかった。何も君を縛るものはない。歌手になるんだろ?」
そうだ。
それはそうなんだけど。
オレの存在が、母さんを死なせてしまった。
育ててくれたのに。
本当のことを話してほしいと母さんが言ったせいで、死ぬ羽目に。
事件を解決しようとしたせいで、アヤさんも死んだ。
本当の母親だったのに。
「警察の結論に不満が?」
「そういうわけじゃ……」
「事件も解決したし、俺たちとも会うこともなくなるね。アヤさんは亡くなられているから不起訴になる。もう君は自由なんだよ」
「……そう……ですね。今までお世話になりました」
望んでいたはずなのに。
オレはまた一人きり。
「タマテル、あんな言い方しなくても」
「大丈夫ですって。寂しかったらまた誰かに連絡取りますよ。一人でなんて生きられないんだから」
「彼女は君を嫌っていたわけじゃないと思う。ただ、本当のことを打ち明ける勇気がなかったんだと思うよ」
全てを話し終わると、玉木は「良かったじゃないか。これで親の呪縛からも逃れられて自由になれるじゃない」と笑った。
「自由?」
「美香さんは実の親じゃなかった。琴音くんは弟じゃなかった。何も君を縛るものはない。歌手になるんだろ?」
そうだ。
それはそうなんだけど。
オレの存在が、母さんを死なせてしまった。
育ててくれたのに。
本当のことを話してほしいと母さんが言ったせいで、死ぬ羽目に。
事件を解決しようとしたせいで、アヤさんも死んだ。
本当の母親だったのに。
「警察の結論に不満が?」
「そういうわけじゃ……」
「事件も解決したし、俺たちとも会うこともなくなるね。アヤさんは亡くなられているから不起訴になる。もう君は自由なんだよ」
「……そう……ですね。今までお世話になりました」
望んでいたはずなのに。
オレはまた一人きり。
「タマテル、あんな言い方しなくても」
「大丈夫ですって。寂しかったらまた誰かに連絡取りますよ。一人でなんて生きられないんだから」